サジーとインドには、5000年以上もの関係性があります。
インド政府はサジーを高く評価し、商業価値を高めるために国内で多くの研究が行われています。
最古の医学アーユルヴェーダ
サジーとインドの関係は、5000年以上前のアーユルヴェーダから始まります。
アーユルヴェーダとは、インド大陸に5000年以上も前から伝わる世界最古の伝統医学のことです。
インドでは、とても重宝されており、国家機関に伝統医学省も設置されているのです。
アーユルヴェーダに認められたサジー
アーユルヴェーダでは、数万種ある植物のうち、79種類だけが薬草として認められています。
その79種類の中にサジーが含まれており、昔から多くの人に食されてきました。
古くから人々に親しまれてきたということは、サジーの安全性の高さの証明にも繋がります。
実際に、これらの食経験がサジーの安全性を証明するということが、専門家の調査によって明らかになっています。
サジーがインド政府の国家プロジェクトに
2010年にインド政府は、サジーを国家プロジェクトのひとつに加えています。
それは2020年までに、サジーを100万ヘクタール(東京ドーム約21万個分)も植林するという、とても大規模なプロジェクトです。※1
研究で判明した安全性
インド政府は、サジーの市場価値を高めるために、効果や安全性を研究しています。
効果については、研究の余地があるものの、実験では一定の効果が確認されています。
また、研究で副作用は確認されず、安全性の高さが証明されています。
ここではインド政府の行った研究を2つご紹介します。
防衛研究所が確認した安全性
インド政府の防衛研究所は、2009年と2011年にサジーの種子 ※2 と葉 ※3 を使った実験をそれぞれ行いました。
そのどちらも火傷への治癒力を検証したものです。
火傷を負ったネズミに対して行われた2つの実験では、サジーの種子や葉が火傷を治癒したことが確認されました。
その実験の過程でサジーについての安全性も調査しましたが、どちらも副作用は確認されませんでした。
核医学研究所が確認した安全性
インド政府の核医学および連合化学研究所は、2012年にサジーをベースにしたサプリメントの有効性と安全性を調査しました。※4
人間へのサプリメントの投与では、ビタミンAとビタミンCがそれぞれ32%と172%増加したことが確認されました。
安全性を確認するために行った、ネズミへの投与では副作用は確認されませんでした。
また、人間への投与でも副作用は確認されていません。
商業価値=信頼性の高まり
かつてサジーは、アーユルヴェーダに記載されていたとはいえ、安全性や効果の証明はあまりされていませんでした。
そのため、インド国内の商業価値はそこまで高いものではありませんでした。
しかし、インド政府の国家プロジェクトが引き金となり、2017年のサジーのインド国内の商業価値は2001年と比較して、およそ6倍以上になったのです。※5
今ではサジーを使った商品が多く作られ、様々な人に親しまれるなど広がりを見せています。
これは、サジーへの安心感や信頼性が高まったことのなによりの証拠になります。
※1 Ministry of Environment, Forest and Climate Change(2010)/Leh Initiative on Seabuckthorn/Release ID :63240
※2 N K Upadhyay & R Kumar & S K Mandotra & R N Meena & M S Siddiqui & R C Sawhney & A Gupta(2009)/Safety and Healing Efficacy of Sea Buckthorn (Hippophae Rhamnoides L.) Seed Oil on Burn Wounds in Rats/Food chem Toxicol/47/1146-1153
※3 Nitin K. Upadhyay & Ratan Kumar & M. S. Siddiqui & Asheesh Gupta(2011) /Mechanism of Wound-Healing Activity of Hippophae rhamnoides L. Leaf Extract in Experimental Burns/ Evid Based Complement Alternat Med/10/1093
※4 Rashid Ali & Raisuddin Ali & Abhinav Jaimini & Dhruv Kumar Nishad & Gaurav Mittal & Om Prakash Chaurasia & Raj Kumar & Aseem Bhatnagar & Shashi Bala Singh(2012)/ Indian J Pharmacol/44/504-508
※5 2 Mohit Husain & Jagdeesh Prasad Rathore & Aatifa Rasool & Aafaq A Parrey(2018)/Seabuckthorn: A multipurpose shrubs species in Ladakh cold desert./JOURNAL OF ENTOMOLOGY AND ZOOLOGY STUDIES/06/1194