【皮膚保護作用】紫外線からの保護

『サジー種子オイルは、紫外線からヒトの皮膚細胞を保護する作用をもっている』という細胞実験の研究結果が発表されています。

紫外線による皮膚細胞の脂質代謝変化に対するシーバックソーン(サジー)種子オイルの効果

2種類の皮膚細胞を用いて、紫外線照射細胞の酸化還元バランスと脂質代謝に対するサジー種子オイルの影響を調べ、光保護効果があるかどうかを検討しました。

方法

ヒトのケラチノサイトと線維芽細胞に、UVAまたはUVB※を照射し、サジー種子オイル(500ng/mL)で処理した後、以下の方法を用いて酸化還元活性を推定しました。

※UVA:紫外線タイプA、20J/cm²および30J/cm²
※UVB:紫外線タイプB、60mJ/cm²および200mJ/cm²

・活性酸素種(ROS)の発生
・電子スピン共鳴(ESR)
・高速液体クロマトグラフィー(HPLC)
・分光光度計

また、脂質代謝や、皮膚の再生・保護に関わる受容体については以下の項目を測定しました。

・脂肪酸
・脂質過酸化産物
・ホスホリパーゼA2活性
・エンドカンナビノイド(カンナビノイド受容体レベル)
・ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)

結果

サジー種子オイルの処理によって、脂質過酸化産物(4-ヒドロキシノネナール、8-イソプロスタグランジン)の減少、エンドカンナビノイド受容体レベルの上昇が観察されました。

さらに、サジー種子オイルによって、リン脂質と遊離脂肪酸の値が高くなり、同時に紫外線照射したケラチノサイトと線維芽細胞のカンナビノイド受容体の発現を低下させました。

ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)に関しては、皮膚細胞の種類によって異なる結果が得られました。紫外線照射後のケラチノサイトではPPARの発現が低下しましたが、線維芽細胞では発現が亢進(高進)され、抗炎症作用を示しました。

以上の結果から、サジー種子オイルは、皮膚の線維芽細胞とケラチノサイトにおいて、紫外線による酸化還元バランスや脂質代謝の乱れを防ぐ効果があり、皮膚の光保護に有用であると考えられます。

<参考文献>

Agnieszka Gęgotek, Anna Jastrząb, Iwona Jarocka-Karpowicz, Marta Muszyńska, Elżbieta Skrzydlewska(2018)/The Effect of Sea Buckthorn ( Hippophae rhamnoides L.) Seed Oil on UV-Induced Changes in Lipid Metabolism of Human Skin Cells/Antioxidants (Basel)./7/110

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