サジーの研究

【抗菌作用】メチシリン耐性黄色ブドウ球菌に対する抗菌活性

『サジー果実の抽出物とサジー葉の抽出物は、それぞれメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)に対し抗菌作用がある』という研究結果が発表されています。

メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)に対するシーバックソーン(サジー)の抗菌活性

ディスク拡散法を用いて、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌※(MRSA)に対するシーバックソーン(サジー)の果実と葉の抗菌活性を調べました。

※メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(Methicillin-Resistant Staphylococcus aureus):メチシリンなど複数の抗生物質に薬剤耐性を示す細菌

方法

サジーの果実と葉それぞれに関してクロロホルム、n-ヘキサンおよび水性の抽出物を用意し、2mg/ml,4mg/ml,6mg/mlの用量で実験を行いました。
また、抗菌活性について標準薬であるバンコマイシンとの比較を行いました。

結果

果実のn-ヘキサン抽出物とクロロホルム抽出物、および葉のn-ヘキサン抽出物は、バンコマイシンと同等の有意な抗菌活性を示しました(p<0.05)。

以上のことから、サジーの果実および葉の抽出物には、MRSAに対する抗菌作用があると結論づけられました。

<参考文献> 

Muhammad Imran Qadir, Khizar Abbas, Adnan Younus, Rehan Sadiq Shaikh(2016)/Report – Antibacterial activity of sea buckthorn (Hippophae rhamnoides L.) against methicillin resistant Staphylococcus aureus (MRSA)/Pak J Pharm Sci./29/1711-1713

【肝保護作用】肝機能の改善

『肝硬変患者がシーバックソーン(サジー)の抽出物を6ヶ月間摂取したところ、肝機能の指標であるアミノトランスフェラーゼが正常化するまでの期間が短縮した』という研究結果が発表されています。

肝線維症(肝硬変)に対するシーバックソーン(サジー)の効果:臨床試験

肝線維症(肝硬変)患者に対するサジーの効果を評価しました。

方法

Child-Pugh分類のグレードAおよびBの肝硬変患者50名を無作為に2群に分け、以下のサンプルを1日3回、6か月間経口摂取しました。

①サジー抽出物群(30名):サジー抽出物(1回15g)
②対照群(20名):ビタミンB複合体(1回2錠)

両群の摂取前後に以下の検査を行いました。

・ラミニン(LN)
・ヒアルロン酸(HA)
・III型コラーゲン
・IV型コラーゲン
・総胆汁酸(TBA)
・アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)
・アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)
・肝血清アルブミン
・プロトロンビン時間

結果

サジー抽出物を摂取した後は、LN、HA、III型コラーゲン、IV型コラーゲン、総胆汁酸(TBA)の血清レベルは、対照群に比べて有意に低下しました。

また、サジー抽出物群では、アミノトランスフェラーゼ(ALT、AST)が正常化する期間を顕著に短縮しました。

肝血清アルブミンとプロトロンビン時間には差が見られませんでした。

以上のことから、サジーは肝機能の改善に有用であると示唆されました。

<参考文献>

Ze-Li Gao, Xiao-Hong Gu, Feng-Tao Cheng, Fo-Hu Jiang(2003)/Effect of sea buckthorn on liver fibrosis: a clinical study/World J Gastroenterol./9/1615-1617

【抗酸化作用】赤血球の保護

『サジーの抽出物を投与したラットは、投与していないラットと比べて酸化ストレスから赤血球が保護される』という研究結果が発表されています。

ラット血液中のニコチンによる酸化ストレスに対するシーバックソーン(サジー)の効果、ビタミンEとの比較

シーバックソーン(サジー)の抽出物と、陽性対照であるビタミンEが、ラットの血液中のニコチンによる酸化ストレスに及ぼす影響を調べました。

本研究では、1群につき8匹のラットを使用し、投与期間は3週間としました。

①ニコチン群(0.5mg/kg/day、腹腔内投与)
②ニコチン+ビタミンE群(75mg/kg/day、胃内投与)
③ニコチン+サジー抽出物群(1ml/kg/day、胃内投与)
④対照群

評価方法

以下の項目を測定しました。

・赤血球のマロンジアルデヒド(MDA)値
・赤血球の抗酸化酵素活性
・血漿中のビタミンE濃度およびビタミンA濃度

結果

・赤血球のマロンジアルデヒド(MDA)値
①ニコチン群では赤血球のMDA濃度が上昇しましたが、③サジー抽出物群と②ビタミンE群の両方ではMDA濃度の上昇が抑制されました。

・赤血球の抗酸化酵素活性
①ニコチン群では赤血球のスーパーオキシドディスムターゼ(SOD)活性が低下しました。この抗酸化酵素活性の低下は、③サジー抽出物群によって抑制されましたが、②ビタミンE群では抑制されませんでした。また、異なる抗酸化酵素であるカタラーゼの活性は影響を受けませんでした。

・血漿中のビタミンE濃度およびビタミンA濃度
②ビタミンEの補給により、血漿ビタミンE濃度が上昇しました。血漿中のビタミンA濃度は、①ニコチン群および④対照群と比較して、②ビタミンEおよび③サジー抽出物を補給した両群で高値でした。

以上の結果から、サジー抽出物は、ニコチンによる酸化ストレスを防ぎ、赤血球を保護することが示唆されました。

<参考文献>

Halis Suleyman, Kenan Gumustekin, Seyithan Taysi, Sait Keles, Nuray Oztasan, Omer Aktas, Konca Altinkaynak, Handan Timur, Fatih Akcay, Sedat Akar, Senol Dane, Mustafa Gul(2002)/Beneficial effects of Hippophae rhamnoides L. on nicotine induced oxidative stress in rat blood compared with vitamin E/Biol Pharm Bull./25/1133-1136

【抗腫瘍】発がん性物質からの保護

『ラットにサジージュースを摂取させると、発がん性物質によって誘発される腫瘍の生成を防ぐ』という研究結果が発表されています。

シーバックソーン(サジー)ジュースによるアミノピリン+亜硝酸塩摂取ラットの腫瘍生成抑制効果

Wistar系ラットを3群(各群17~18匹)に分け、アミノピリン※(0.2%)と硝酸ナトリウム(0.2%)を含む飼料と、以下を38週間自由摂取させました。

・水道水(対照)
・シーバックソーン(サジー)ジュース
・アスコルビン酸(ビタミンC)溶液

※アミノピリンは胃の中で亜硝酸と反応し、発がん性物質であるニトロソジメチルアミンが生成されます。

結果①(腫瘍の数)

・対照群(水道水)
17匹すべての肝臓に腫瘍が生じ、うち6匹は肺に、4匹は腎臓にも腫瘍を生じました。

・サジージュース摂取群
15匹が肝臓に、11匹が肺に、2匹が腎臓に腫瘍を生じました。

・アスコルビン酸(ビタミンC)摂取群
18匹すべての肝臓に腫瘍が生じ、うち6匹は肺に、4匹は腎臓にも腫瘍を生じました。

結果②(平均寿命)

サジージュース摂取群の平均寿命は270日で、対照群(195日)やアスコルビン酸摂取群(220日)よりも有意に長い結果となりました(P<0.01)。

また、サジージュース摂取群のラットの肝臓を顕微鏡で観察したところ、対照群やアスコルビン酸摂取群に比べて発癌巣の数が少ないことが分かりました。

以上の結果から、サジージュースはアスコルビン酸よりも効果的にN-ニトロソ化合物の生成を阻害し、それによって腫瘍の生成を防ぐことができると考えられます。

<参考文献>

Y Li, H Liu(1991)/Prevention of tumour production in rats fed aminopyrine plus nitrite by sea buckthorn juice/IARC Sci Publ./568-570

【抗肥満】ウエスト周囲径の減少

『肥満気味の女性がサジーの果実を摂取したところ、ウエスト周囲径の有意な減少が確認された』という研究結果が発表されています。

シーバックソーン(サジー)とビルベリーは、肥満気味の女性の代謝性疾患に対して、わずかに好ましい効果を示す

食生活は、肥満、2型糖尿病、アテローム性心血管疾患に大きな影響を与えています。本研究では、過体重および肥満の女性を対象に、代謝性疾患の関連変数に対するシーバックソーン(サジー)とその一部、およびビルベリーの効果を比較しました。

方法

合計110名の女性ボランティアを募集し、以下4種類(サジーとその一部、およびビルベリー)を、それぞれ33~35日間続けて経口摂取してもらいました。それぞれの摂取量は、生の果実100gの1日平均摂取量に相当する量としました。

<摂取したもの(摂取順はランダム)>
①サジー
②サジーのフェノール抽出物
③サジーオイル
④ビルベリー

それぞれの摂取後、次のベリーを摂取するまで30~39日間のウォッシュアウト期間を設けました。各期間終了後、採血と身体計測を行いました。80名のボランティアがこの研究を完了しました。

結果

・ウエスト周囲径
サジー摂取後およびビルベリー摂取後に、有意に減少しました。
(サジー:-1.1 cm; P = 0.008、ビルベリー:-1.2 cm; P = 0.041)

・血管細胞接着分子(VCAM)※
サジーオイル摂取後およびビルベリー摂取後に、有意に減少しました。
(サジーオイル:-66.1 ng/ml; P = 0.001、ビルベリー:-49.8 ng/ml; P = 0.002)

・細胞間接着分子(ICAM)※
サジーのフェノール抽出物摂取後に有意に減少しました。
(サジーのフェノール抽出物:-6.1 ng/ml; P = 0.028)

※VCAMやICAMは白血球の働きに関与しており、上昇すると動脈硬化や心血管疾患の発症に関わるといわれています。また、これらのマーカーは肥満では上昇し、減量すると減少することが知られています。

以上の結果から、これらのベリー類は、代謝疾患の関連変数に対して様々なプラスの効果をわずかに持つと結論づけられました。

<参考文献>

H-M Lehtonen, J-P Suomela, R Tahvonen, B Yang, M Venojärvi, J Viikari, H Kallio(2011)/Different berries and berry fractions have various but slightly positive effects on the associated variables of metabolic diseases on overweight and obese women/Eur J Clin Nutr./65/394-401

【血液】血小板の抗接着作用

『サジーの果実から抽出したフェノール類は、血小板の接着作用を阻害し、心血管疾患の予防に有用である』という研究結果が発表されています。

シーバックソーン(サジー)の果実から抽出したフェノール類による血小板接着の抑制効果

サジー果実に含まれるフェノール性画分(サジー画分)が、血小板の活性化のさまざまな段階(接着と凝集)に及ぼす影響をin vitro(細胞実験)で調べました。

方法

サジー画分の影響について、それぞれ以下の方法で測定しました。

・血小板のコラーゲンおよびフィブリノゲンへの接着
 ⇒Tuszynskiらの方法およびMurphyらの方法

・血小板の凝集性
 ⇒タービディメトリー

結果

サジー画分(0.5~50μg/ml、培養時間30分)は、血小板のコラーゲンおよびフィブリノゲンへの接着を阻害しました。

血小板の接着に対する効果は、サジー画分の濃度に依存した結果となり、最高濃度である50μg/mlの存在下では、トロンビンにより活性化された血小板の接着を約55%阻害しました。

一方、試験したサジー画分には抗凝集作用は認められませんでした。

以上の結果から、サジー果実由来のフェノール性画分の抗接着作用が示され、心血管疾患の予防に有用であることが示唆されました。

<参考文献> 

B Olas, B Kontek, M Szczesna, L Grabarczyk, A Stochmal, J Zuchowski(2017)/Inhibition of blood platelet adhesion by phenolics’ rich fraction of Hippophae rhamnoides L. fruits/J Physiol Pharmacol./68/223-229

【抗酸化作用】ニコチンによる酸化ストレスの保護

『サジーの抽出物を投与したラットは投与していないラットと比べて、ニコチンによる酸化ストレスから肝臓を保護される』という研究結果が発表されています。

シーバックソーン(サジー)はニコチンによる肝臓の酸化ストレスを軽減する

ビタミンEとシーバックソーン(サジー)の抽出物が、ニコチンによるラット肝臓の酸化ストレスに及ぼす影響を調べました。

本研究では、1群につき8匹のラットを使用し、投与期間は3週間としました。

①ニコチン群(0.5mg/kg/day、腹腔内投与)
②ニコチン+ビタミンE群(75mg/kg/day、胃内投与)
③ニコチン+サジー抽出物群(250mg/kg/day、胃内投与)
④対照群

評価方法

肝組織ホモジネートの上清を用いて、以下の項目を分光光度法により測定しました。

・マロンジアルデヒド濃度
・スーパーオキシドディスムターゼ活性
・グルタチオンレダクターゼ活性
・グルタチオンペルオキシダーゼ活性
・一酸化窒素濃度
・総スーパーオキシドスカベンジャー活性
・非酵素スーパーオキシドスカベンジャー活性
・グルタチオン-S-トランスフェラーゼ活性

結果

・マロンジアルデヒド濃度
①ニコチン群では、 ④対照群と比較して増加しました。このニコチンによる脂質過酸化の増加は、②ビタミンE群と③サジー抽出物群の両方によって抑制されました。

・スーパーオキシドディスムターゼ活性
②ビタミンE群が、①ニコチン群や④対照群に比べて高値でした。

・グルタチオンリダクターゼ活性
①ニコチン群が④対照群と比較して高値でした。

・グルタチオンペルオキシダーゼ活性
④対照群において、①ニコチン群および③サジー抽出物群よりも高値でした。

・一酸化窒素濃度
①ニコチン群が他のすべての群と比較して高値でした。

総スーパーオキシドスカベンジャー活性、非酵素スーパーオキシドスカベンジャー活性、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ活性については、いずれの処理群でも影響がありませんでした。

これらの結果から、サジー抽出物およびビタミンEは、ニコチンによる酸化ストレスから肝臓を保護することが示唆されました。

<参考文献>

Seyithan Taysi, Kenan Gumustekin, Berna Demircan, Omer Aktas, Nuray Oztasan, Fatih Akcay, Halis Suleyman, Sedat Akar, Senol Dane, Mustafa Gul(2010)/Hippophae rhamnoides attenuates nicotine-induced oxidative stress in rat liver/Pharm Biol./48/488-493