『サジー種子オイルは、皮膚の水分保持に関わるタンパク質の発現を増加させ、皮膚の乾燥を軽減する』という研究結果が発表されています。
シーバックソーン(サジー)種子の不飽和脂肪酸濃縮エキス(種子オイル)は、アクアポリン3とヒアルロン酸合成酵素2の発現を増加させることで皮膚の乾燥を軽減する
シーバックソーン(サジー)の種子オイルは多量の多価不飽和脂肪酸(PUFA)を含むことがよく知られており、PUFAは一般的に経表皮水分損失(TEWL)を減少させることで皮膚の水分補給を促進することが認められています。
本研究では、サジー種子オイルがアクアポリン3(AQP3)※またはヒアルロン酸合成酵素2(HAS2)の発現を増加させるかどうかを調べました。
※アクアポリン3:肌の表皮に存在し、水分の取り込みに関わるタンパク質
方法
サジー種子オイルの細胞毒性(安全性)を調べるためにMTTアッセイを行いました。
次に、サジー種子オイルが正常ヒト表皮ケラチノサイト(NHEK)細胞でAQP3 mRNAの発現を増加させるかどうかを調べるためにPCRを行いました。
また、免疫蛍光法(IF)とウェスタンブロット分析を用いて、NHEK細胞または再構築した表皮の皮膚モデルにおいてサジー種子オイルの影響を受けたAQP3とHAS2のタンパク質レベルの発現を調べました。
結果
・MTTアッセイ(安全性評価)
すべての試験濃度のサジー種子オイルは細胞に対して細胞毒性を示しませんでした。
・PCR(AQP3 mRNAの発現)
10μg/mLのサジー種子オイルで処理したサンプルは、陰性対照と比較してAQP3 mRNAレベルを明らかに増加させました。
・免疫蛍光法(IF)とウェスタンブロット分析(AQP3とHAS2のタンパク質レベルの発現)
10μg/mLのサジー種子オイルで処理したNHEK細胞のAQP3とHAS2のタンパク質レベルは、陰性対照よりもはるかに高いことが示されました。
さらに、再構築表皮皮膚モデルにおいても、10μg/mLのサジー種子オイルで処理したサンプルは、陰性対照と比較してAQP3とHAS2タンパク質の発現が大幅に上昇しました。
以上のことから、サジー種子オイルがAQP3とHAS2の発現を増加させ、皮膚の乾燥を軽減することが分かりました。
<参考文献>