ラットにサジーの葉抽出物を摂取させると、酢酸鉛による酸化ストレスが低下し、肝障害を予防することができる』という研究結果が発表されています。
酢酸鉛中毒のWistar系ラットにおけるシーバックソーン(サジー)葉抽出物の肝保護作用
酢酸鉛中毒のWistar系ラットを対象に、シーバックソーン(サジー)の葉抽出物の肝保護効果を調べました。
方法
成熟したWistar系雄性ラット(35匹)を無作為に5つのグループに分けました。
I群:対照群
II群:酢酸鉛
III群:サジーの葉抽出物
IV群:酢酸鉛(45日間)+サジーの葉抽出物(実験期間中)
V群:酢酸鉛(45日間)+サジーの葉抽出物(最後の15日間のみ)
※酢酸鉛:250ppm、飲料水に添加
※サジーの葉抽出物:100mg/kg、経口投与
肝機能酵素を調べるために、0日目、45日目、60日目に血液を採取し、以下の項目について比較しました。
・アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)
・アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)
・酸性ホスファターゼ(ACP)
・アルカリホスファターゼ(ALP)活性
結果
鉛曝露により、酢酸鉛中毒群(II群,IV群,V群)では、I群(対照群)と比較してAST、ALT、ACP、ALP活性、肝臓重量が増加し、肝酸化ストレスが生じました。
しかし、酢酸鉛と同時にサジーの葉抽出物を摂取した群(IV群)では、鉛毒性に対する保護効果が認められました。
また、酢酸鉛中毒が起こった後にサジーの葉抽出物を補給した群(V群)では、AST、ALT、ALP活性および肝酸化ストレスが低下し、その改善効果が認められました。
以上のことから、サジーの葉抽出物を摂取することにより、飲料水に含まれる酢酸鉛による肝障害を予防することが示唆されました。