『ニホンウズラにサジー葉を摂取させると、カビ毒による腎症を部分的に予防することができた』という研究結果が発表されています。
オクラトキシンAによるニホンウズラの腎毒性の病態とシーバックソーン(サジー)による保護効果
ニホンウズラのオクラトキシンA(OTA)※による腎障害に対するシーバックソーン(サジー)の保護効果を調べました。
※オクラトキシンA:腎毒性や肝毒性があるカビ毒の一種
方法
ウズラのヒナを6群に分け、以下いずれかの飼料または水を21日間与えました。
①2%のサジー葉粉末を含む飼料
②3ppmのOTAを含む飼料
③3ppmのOTAと25ppmのL-β-フェニルアラニン(Phe)を含む飼料
④2%のサジー葉粉末と3ppmのOTAを含む飼料
⑤10%/Lのサジー葉抽出物と3ppmのOTAを含む水
⑥毒素を含まない標準的な飼料(対照群)
結果
②OTAを添加した飼料を与えた群では、軽度から中等度の腎腫脹がみられました。しかし、③フェニルアラニンや④⑤サジー葉を一緒に摂取した群では重症度が低くなっていました。
顕微鏡的には、②OTAを添加した飼料を与えた群では変性、壊死、および炎症性の変化が観察されましたが、③フェニルアラニンや④⑤サジー葉を一緒に摂取した群では、その変化はより軽度でした。
超微細構造の研究では、近位尿細管に顕著な変化がみられ、②OTAを添加した飼料を与えた群ではミトコンドリアと小胞体の深刻な損傷がみられましたが、④⑤サジー葉を一緒に摂取した群ではミトコンドリアの変化は軽度でした。
以上の結果から、ニホンウズラにおいて、2%のサジー葉粉末やサジー葉抽出物を飼料や水に配合することで、OTAによる腎症を部分的に予防できることが示唆されました。
<参考文献>