サジーは火傷などの皮膚の疾患に、高い治癒能力を発揮します。
その効果は大きく、チェルノブイリ原発事故が起こったときには、実際に被害者の火傷などの治療に使われていました。
チェルノブイリ原発事故
チェルノブイリ原発事故は1986年4月6日に起きた原子力事故のことです。
死者は4000人を超えるともいわれ、負傷者はその数の多さから把握ができていません。
世界で最悪の原子力事故とも評され、のちに決められた国際原子力事象評価尺度では深刻な事故を示すレベル7に分類されています。
治療薬として使われたサジー
そんな悲惨な事故直後から、チェルノブイリ原発事故の被害者の多くに、サジーによる火傷の治療が施されました。
その功績は、カナダ農業食糧省の記事でも、取り上げられています。
サジーは 火傷、床ずれ、湿疹(アトピー等)と放射線障害など、様々な皮膚障害を治療するために軟膏としても取り入れられました。
1986年に起きたチェルノブイリ原発事故の犠牲者の多くがサジーを用いた治療を受けました。また、オイルは内服して胃と腸の病気にも取り入れられました。
カナダ農業食糧省 赤丸部分和訳
火傷に対するサジーの有用性
サジーに火傷を軽減する効果があることは、数々の研究者たちによって証明されています。
2009年には、インド国防研究所は、サジー種子オイルを使った研究の結果、火傷に対する有用性と安全性が確認されたと発表しました。※1
ネズミの火傷を対象にしたこの研究では、サジーの種子オイルまたは、抗生物質を与えて火傷の修復具合を比較しました。
7日間の研究の結果、種子オイルによって、 タンパク質やヒドロキシプロリンなどが増加し火傷が収縮しました。
そして最終的には、抗生物質を与えたネズミよりも高い治癒力が確認されたのです。
さらに、毒性試験においても特に異常は認められず、副作用がないことも示唆されました。
※1 Upadhyay NK & Kumar R & Mandotra SK & Meena RN & Siddiqui MS & Sawhney RC & Gupta A(2009)/Safety and healing efficacy of Sea buckthorn (Hippophae rhamnoides L.) seed oil on burn wounds in rats./ Food Chem Toxicol/47/1016