『サジー種子残渣の抽出物は、マウスのメラノーマ細胞におけるメラニン合成を阻害する』という研究結果が発表されています。
シーバックソーン(サジー)種子残渣抽出物の役割;B16F10メラノーマ細胞に対する抗メラニン生成特性
シーバックソーン(サジー)種子残渣のアルコール抽出物(HYD-SBSR)は、皮膚の美白剤として期待されています。
HYD-SBSRのB16F10マウスメラノーマ細胞に対する抗メラニン生成特性を分析し、そのメカニズムを転写レベルと翻訳レベルの両方で測定しました。
結果
HYD-SBSRは、24時間、48時間および72時間の処理によってメラノーマ細胞のメラニン含量を有意に減少させ(P < 0.01)、さらに細胞外のチロシナーゼ※活性を強く阻害し、細胞内のチロシナーゼ活性を減少させました(P < 0.01)。
※チロシナーゼ:メラニン生成酵素
HYD-SBSRは、細胞株において、チロシナーゼ(TYR)およびチロシナーゼ関連タンパク質1(TRP-1)の発現、TYRおよびTRP-1タンパク質の分泌に対して阻害作用を示しました。また、チロシナーゼ関連タンパク質2(TRP-2)および小眼球関連転写因子(MITF)のタンパク質レベルには有意な差は見られませんでした。
以上のことから、サジー種子残渣抽出物は、チロシナーゼ活性を低下させ、チロシナーゼおよびTRP-1の発現を低下させることにより、メラニン合成を阻害すると考えられます。
<参考文献>