『サジー由来のフラボン類は、酸化剤であるtert-ブチルヒドロペルオキシド(TBHP)による細胞毒性を抑制し、細胞を保護する』という研究結果が発表されています。
シーバックソーン(サジー)フラボンのtert-ブチルヒドロペルオキシド誘発リンパ球細胞毒性に対する細胞保護および抗酸化作用に関する研究
リンパ球をモデル系として、酸化剤として用いられるtert-ブチルヒドロペルオキシド(TBHP)に対するシーバックソーン(サジー)由来フラボン類の細胞保護活性を調べました。
結果
TBHP(250μM)を細胞に添加すると、細胞毒性とフリーラジカル生成が増強されました。また、細胞内カルシウムレベル、カスパーゼ活性、アポトーシス※が有意に増加しました。
※カスパーゼ:細胞死や炎症などに関わる酵素
※アポトーシス:細胞死の一種
100μg/mLのサジー由来フラボンを添加したところ、TBHPによる細胞毒性とフリーラジカル産生を有意に抑制し、抗酸化状態は対照細胞(TBHPを添加していない細胞)の状態にまで回復しました。
また、サジー由来フラボンは、細胞内のカルシウムレベルとカスパーゼ活性を低下させることにより、TBHP誘発アポトーシスを有意に抑制しました。さらに、TBHPによるDNA切断の形成を30%減少させました。
以上のことから、サジー由来フラボン類には顕著な細胞保護作用があり、これは抗酸化作用に起因するものと考えられます。
<参考文献>