サジーは宇宙開発において、とても高い評価を受けています。
特に、サジーの研究が盛んなロシアでは、ソ連時代から宇宙飛行士の保健飲料としてサジーが認定されています。※1
宇宙食としてサジーが使われ始めたのは 1960年代頃。ソビエト連邦が先頭に立ってサジーの宇宙食開発を行っていました。
この頃は冷戦により、激しい宇宙開発レースが繰り広げられていました。
そのため、ソ連は『栄養素を豊富に持つ類まれなフルーツ』として、サジーを国家秘密として扱うほどでした。
実際、サジーが西側諸国に知れ渡ったのは、旧ソ連の崩壊後だと言われています。
宇宙飛行士のストレスを軽減したサジー
ソ連はサジーに対して2つの効果を期待しました。
そのうちの一つがストレスの軽減です。
宇宙空間で生活を送る宇宙飛行士のストレスは計り知れません。強いストレスを感じると、免疫機能にまで影響を与えてしまいます。
サジーには、そうしたストレスを軽減する力があります。
サジーオイルがストレス解消になる
中国にある遼寧中医薬大学や中国医薬大学の合同研究で、サジーオイルがストレスを軽減させることが明らかになりました。※2
ストレスは、NK細胞という免疫機能をもつリンパ球の働きを阻害します。
今回の研究では、ストレス環境に置かれたネズミに対して、サジーオイルがNK細胞を活性化させることができるかどうかを分析しました。
40匹のネズミに対して実験前にストレスを与え、NK細胞の働きを落とすことで、ネズミの免疫機能を低下させました。
その結果、サジーオイルを投与したネズミはNK細胞が活性化し、数も増加した上に、 体重まで増加したことが確認されたのです。
このことから、サジーオイルにはストレスに対する抵抗性があることが示唆されています。
※サジーオイルはサジージュースにも含まれているため、効果に大きな違いはないと考えられます。
放射線から宇宙飛行士を守るサジー
ソ連がサジーに期待したもう一つの効果。
それは、放射線からの保護です。
実は、サジージュースのほかにサジーの軟膏も宇宙飛行士たちは使っていました。
地上の何倍もの放射線が降り注ぐという宇宙空間において、放射線からの保護は必要不可欠なものでした。
サジーが放射線を防護する
2008年には、インドの防衛研究開発機関が、サジーが放射線の防護に繋がる可能性が高いことを発表しています。 ※3
放射線はDNAを損傷させることが知られています。
細胞内のDNAが切断され、遺伝子が正しく機能しなくなったり、がん化や細胞死が引き起こされてしまうのです。
サジーから抽出したエキスを分析すると、サジーがDNAを保護し、 放射線によるDNA損傷の防止に重要な役割を果たすことが示唆されました。
※1 E. Small、PM Catling&TSC Li (2002) BLOSSOMING TREASURES OF BIODIVERSITY、 Biodiversity、 3: 2、25-27、 DOI:10.1080 / 14888386.2002.9712575
※2 Hou Diandong & Gu Feng & Liang Zaifu & Timothy Helland & Fu Weixin & Cai Liping(2015)/Sea buckthorn (Hippophae rhamnoides L.) oil protects against chronic stress-induced inhibitory function of natural killer cells in rats/Int J Immunopathol Pharmacol/29/76-83.
※3 Angara V.S. Sureshbabu & Tapan Kumar Barik & I. Namita & I. Prem Kumar (2008)/Radioprotective properties of Hippophae rhamnoides (sea buckthorn) extract in vitro/ Int J Health Sci /2/45-62